【南山展】ワークショップ「ヘラ押しレリーフで清水南山の猫を作ろう」を開催しました!

南山作品の中でもひときわの愛らしさで異彩をはなつ《猫金具付小児用手提》(昭和14年、広島県立美術館蔵)。今日は、南 昌伸さん(広島市立大学芸術学部教授、金工家)を講師にお迎えし、この猫をヘラ押しレリーフで作りました。

熱心に指導してくださる講師の南 昌伸さん

「どんな人でも猫になるように・・・(笑)」とあらかじめ少し縮小した南山の猫の型をご用意いただき、その型に錫の薄板をあてて、まずは指で押していきます。コツは猫の中心から外へ向けて押し出すこと。

ご準備いただいた猫の型とヘラたち

まずは錫の薄板を指で押さえます。すでに皆さん真剣!

錫はやわらかい金属なので、どんどん猫の形になっていきます。

指で押しただけの状態。ふんわり猫のシルエット。

そして・・・ここからが長丁場、竹箸で作ったヘラを錫にあてながら、細かな形をヘラ押ししていきます。凹凸にあわせてヘラを選択し、やわらかな錫に穴があかないように慎重に作業していくと、猫の顔や輪郭がはっきりとしてきます。ここでのコツは、擦るのではなく、少しずつ押し出すこと。型からはずして、押せていないところを確認し、また押していきます。顔の細かな部分は金属のヘラで押していきます。

竹箸のヘラはそれぞれ先が色々な形になっています。すべて手作り!

猫の形がくっきり出たらつやつやの部分がなくなるまで全体を擦っていきます。丁寧に擦っていくと金属の質感まで写し取ることができます。(このあたりまでくると指が痛くなってきます。)

指で押しただけのときよりも、輪郭がくっきりしています。

その後、猫のアウトライン(きわ)をたおしていきます。切取りやすいように、しっかりときわをたおしていくことが大切・・・。錫が皺のように寄っている部分もあり、たおす作業にも一苦労です。

きわをたおしているところ。これがなかなか手ごわい・・・

押し出しが完了したところで、猫の模様を考えます。酸を使って錫を腐食させ、黒いぶち模様を作ります。酸の付け方、時間、洗い方によっては、薄い黒、濃い黒、銅にようなピンク色と個性がでてきます。

酸でどんな模様にしようか・・・迷います。一発勝負!

慎重に・・・綿棒で模様をつけていきます。

酸で腐食させて、ピンクの模様に。

腐食によって模様をつけた後は錫に紙粘土とパテを充填し、やわらかい錫がへこまないように接着。パテを十分に乾かして次の難関へ・・・。

紙粘土&パテを充填。いよいよ完成も近い!と思ったら次の難関が・・・

猫を型からはずし、きわをカッターで少しずつ切っていきます。金属をカッター(ときにはハサミ)で切るのがまた難しく、少しずつ切っては、なめらかに整えていきます。ここで、思うわぬところを切ってしまうと・・・とドキドキです。

 

カッターで金属を切るのは難しい・・・慎重に、慎重に。

器用な人はハサミでどんどん切っていきます。さすが!

きわを切り取る作業は難しい・・・。やっとここまで。

切り抜いたところで、瞬間接着剤で箔を貼り付けます。酸や箔で思い思いに模様をつけるといよいよ世界にたった一つの作品に!同じ型を使ったはずがそれぞれ表情や雰囲気の違う作品になりました。

とっても素敵なブローチの完成!

皆さん、とっても満足そう・・・!

はじめる前、簡単だと思っていた作業は、非常に根気のいるもので南山がどれだけの気力をもって作品を制作していたのか・・・(もちろん遠く及びませんが)すこし感じることができました。私はあまりの楽しさに熱中してしまい、予定時間から40分もオーバー。(一般の参加者が帰っても黙々と作業、笑。居残りみたいです。)難しい作業の中にある彫金の魅力を大いに感じられるワークショップでした。

皆さん完成されて帰られたのに・・・居残り状態

大雑把な私の猫さんは案の定、耳に小さな穴が・・・(箔でごまかしました、笑)

完成した猫さん。頑張った分、愛着がわきます。

彫金家 清水南山 -広島が生んだ近代金工の巨匠
1月6日(金)~2月12日(日)

リニューアル・オープン20周年記念
「続・広島県立美術館ベストセレクション展」
「平成27年度新収蔵品ご紹介!」
12月22日(木)~4月16日

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