所蔵品
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家路

瀬戸内海沿岸の穏やかな気候のもとで育った子どもたち。ここに描かれているのは、画家の妹や弟たちです。題名が示すように、四人は家に帰る途中なのでしょう。たくましい手足で、とても健康的です。絵具を何度も塗り込めた重厚な画面。左端の少女は顔や手足まで緑色に染まっています。お互い言葉を交わしながらの帰路かと思いきや、全員口を閉じていて、レリーフ彫刻のようにも感じられます。記念すべき院展初入選作。
作者の平山郁夫は、広島県尾道市瀬戸田町生まれ。昭和20(1945)年 学徒勤労動員の作業中、広島陸軍兵器支廠で被爆します。同22(1947)年 東京美術学校(現東京藝術大学)入学。同27(1952)年卒業後は前田青邨に師事。日本美術院を舞台に目ざましい活躍をし、平成8(1996)年にはその理事長に就任しました。同9(1997)年 故郷の瀬戸田町に平山郁夫美術館が開館。同10(1998)年 文化勲章を受章。同12(2000)年12月31日 奈良・薬師寺の玄奘三蔵院に、畢生の大作「大唐西域壁画」を完成させました。
名称 家路 いえじ
作者名 平山郁夫 ヒラヤマ・イクオ
時代 昭和28年
材質 紙本彩色
サイズ 146.0×206.0
員数
その他の情報
指定区分
分野