所蔵品
所蔵品

果てしなき餐食

夢や無意識の世界に注目したシュルレアリスム運動が、ヨーロッパで花開いた1920年代。その影響は間もなく日本にも及びました。この作品は、溶けて滴り落ちる皿や曲がったスプーンなど、日常性からの逸脱に、シュルレアリスムの受容を見ることができます。地平線のかなたまで無限に広がるような情景や、木のドアとの対比により巨大に見える食器は、<果てしない餐食>=<終わりのない食事>が持つ、破壊的な力を暗示するのでしょうか。
 土屋幸夫(1911-1996)は、広島県尾道市出身。東京高等工芸学校を卒業後、戦前・戦中期にはフランス近代絵画の影響を受けた前衛的な作品を発表。戦後は、抽象的な絵画作品のほか、立体やデザインの分野でも活躍しました。幅広い分野で独自の造形を追求したほか、武蔵野美術短期大学で指導するなど、後進の育成にも尽力しています。
名称 果てしなき餐食 はてしなきさんしょく
作者名 土屋幸夫 ツチヤ・ユキオ
時代 昭和13年
材質 油彩・画布
サイズ 37.9×45.5
員数 1面
その他の情報
指定区分
分野