所蔵品
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四人の検事

1927年マサチューセッツ州で,イタリア系移民の無政府主義者二人が,正当な証拠は無かったにもかかわらず,強盗殺人を犯したとして死刑に処せられました。当時のアメリカ政府の保守反動的な姿勢を象徴するものとして,世界中に大きな波紋を投げかけたサッコとバンゼッティ事件です。二人の無実を信じ,死刑執行に衝撃を受けたシャーンは,この事件を現代の磔刑として23点の連作に表現しました。公訴する側の検事たちが冷淡な表情を浮かべて並ぶ本作品もその内の1点です。1932年にニューヨークのダウンタウンギャラリーに展示されたこのシリーズはセンセーションを巻き起こし,普段画廊に行かない人まで足を運ばせました。
ユダヤ系の大尉ドレフュスが無実の罪のために刑に服したドレフュス事件や,米国の水爆実験の死の灰を浴びて犠牲者が出た第五福竜丸事件など,社会的事件を扱った連作を制作・発表したシャーンは,社会の不正を鋭く追及する画家として世に認められました。
名称 四人の検事 よにんのけんじ
作者名 ベン・シャーン ベン・シャーン
時代 昭和6-7年
材質 グワッシュ・板
サイズ 24.8×37.5
員数
その他の情報
指定区分
分野