所蔵品
所蔵品

石割り

【作品解説】
東京美術学校卒業後イギリスへ留学した南は約2年間をそこで過ごし、その後帰国までの約半年間をヨーロッパ各地の見学に使っています。帰国の翌年描かれたこの作品は、作者が郷里で目にした光景を描いたものです。
中景の男たちが砕いた石は、遠景の小屋で焼かれ、やがて肥料となります。明るい陽射しを浴びて働く人々とは対照的に、ほの暗い木陰に憩う涼しげな母子。色彩の明・暗を活かして、静と動の対比を際立たせた手法には、光の表現を追求する作者の新たな試みが感じられるようです。

【作家略歴】
1883(明治16)
広島県呉市に生まれる

1907(明治40)
東京美術学校を卒業後、渡欧

1910(明治43)
帰国 「南薫造 有島壬生馬滞欧記念絵画展覧会」(白樺社主催)開催
第4回文展に出品、三等賞受賞(以後、第7回文展まで連続受賞)

1913(大正2)
第1回日本水彩展に出品

1916(大正5)
インドに旅行 第10回文展審査員となる

1925(大正14)
朝鮮半島に写生旅行

1930(昭和5)
展覧会審査のため台湾に渡り、各地を旅行

1932(昭和7)
東京美術学校教授となる

1935(昭和10)
広島県産業奨励館で個展を開催

1936(昭和11)
展覧会審査のため、朝鮮半島北部に渡る(1942年にも渡航)

1937(昭和12)
帝国芸術院会員となる

1939(昭和14)
陸軍省嘱託として中国の戦跡を巡る

1944(昭和19)
郷里に疎開 帝室技芸員となる

1950(昭和25)
郷里で死去
名称 石割り いしわり
作者名 南薫造 ミナミ・クンゾウ
時代 明治44年
材質 油彩・画布
サイズ 60.5×45.5
員数 1面
その他の情報
指定区分
分野